長唄に『五郎時致』という唄がありますが、それも 曽我兄弟の弟の五郎です。
※私が長唄を習っている時に使っている本です
五郎が敵討ちに行く前の心境を唄にしていて、人間味を感じさせられます。曽我物語って仇討ちの話として有名で、人物の背景は 長唄や歌舞伎で描かれていて面白いです。この長唄の中では 五郎が春雨の中、恋人のもとへ通う様子を唄っているのです。五郎の恋人は“化粧坂の少将”(けわいざかのしょうしょう)という高級遊女で 歌舞伎の『寿曽我対面』にもでてきます。
弟の五郎は血気盛んな気性でどちらかというと肉食系で、兄の十郎祐成は柔らかい雰囲気で草食系という設定の為か、弟の五郎が主人公になっているものが多いです。
ちなみに 歌舞伎の『助六所縁江戸桜』の助六も五郎です。
※これは寿曽我対面を歌舞伎座に見入った時撮りました